カーテンで仕切られたソファ席。
まるで個室みたいだけど、シフォン素材のその布は目隠しにはならない。
「……相田、いつもと違う?」
飲み物だけオーダーを取ってカウンターに去っていく要の後姿を見て早苗が早速身を乗り出してきた。
「……違うよぉ。 目、全然合わなかった……」
「恥ずかしいんじゃないの?」
「――ははッ。まさかぁ……」
そこまで言って、あたしは再び固まってしまった。
な……。
な、な……。
斜め向かいのソファ席。
丸見えのカーテンの向こう側。
「け、け……ケンゾーさん……ッ」
「はあ?」
青白い顔で震える指先で指し示した先を、早苗がガバッと振り返る。
開いた口が塞がらない。
まるで金魚みたいなあたし。
だけどそんなの関係なくて。
しかも、その先。
やっぱり1番奥の窓際の席に、1人で彼女はいる。
当たり前のように、常連客のようにそこにいて。
美味しそうなスープを口に運んでいる。
なんで……ッ?
――……もう泣きたい。



