それからすぐにマナ達があたしを迎えに来てくれて。
なぜかうちでくつろいでるケンゾーさんに見送られながら、あたしは家を後にした。
「……あの人、まだいるんだ」
「うん」
玄関先で大袈裟に手を振るケンゾーさんの姿をうさんくさそうに眺めながら、結衣が振り返った。
あたしはそんなケンゾーさんに苦笑いを残して、足を速めた。
「てゆか、よく相田があんな人を家に上げてるよね~。 あのケンゾーってヤツ、未央にやたら迫るんでしょ?なんか大人の男って感じじゃん。 色気ムンムン」
前を歩いていたマナが、ノースリーブから伸びる少し日に焼けた腕を組むと、楽しそうに言った。
「せ、迫られてなんかないよ!」
「鈍感な子が相手だと、相田も大変だわ。 無愛想でクールなアイツのあの超迷惑そうな顔……プッ、笑える~」
そんなマナに向かって慌てて否定すると、その隣で早苗が思い出したかのように吹き出した。
むむ。
鈍感って……あたしだって、気づいてるっての!
だから、ケンゾーさんを家に泊まることを許したのだって、あたしが1番ビックリしてるんだから。
「あははは」なんてなんとも楽しそうに笑う親友達をジトッと睨んであたしは「はあ」と小さく溜息をついた。
笑えないんだってば……。
マジで。
40分くらいバスに揺られて。
ようやく見えてきた真新しい大きな施設。
「今年オープンしたばっかなんだよ」
そう言った早苗は、窓の外に目をむけた。
あたしもそれにならって、外を眺める。
「ここのプールの、ジャンボ滑り台が人気なんだよ」
そう言ったマナが指差した先には、高い建物。
良く見ると、それは滑り台で水着姿のたくさんの人がすでに並んでいた。
トンネルがグルグル回っていて、その中を浮き輪に乗って滑り降りてるようだ。
それにしても。
うわあ、すごい人……。
車も人も、大渋滞だ。



