「―――ははッ」
吹き出す声に、顔を上げた。
見上げると、ケンゾーさんはお腹を抱えて笑っていて。
「……え、ちょ……笑うとこですか?」
「わはは……もう、未央ちゃんには敵わないよ」
「それって、褒めてないです」
失礼だなッ!
余計な事言ったとは思うけど、そんなおかしな事言ったかな。
まだ笑いが収まらないのか、目尻にたまった涙を拭いながらジトって睨んだあたしを見た。
「いや。 褒めてるよ? ほんとにキミは俺のハニーだ」
「はい?」
パチンとウィンクをして見せたケンゾーさん。
それを見て、思わず白い視線を送ったあたしは、ケンゾーさんに背を向けるとリビングのドアに手をかけた。
「…………じゃ、おやすみなさい」
「うん。 おやすみ~」
またソファに横になりながら、ケンゾーさんは人差し指を唇に当てて、それをあたしに向かって飛ばしてきた。
――ゾク
背中に寒気を感じながら、あたしはさっさと自分の部屋に急いだ。
やっぱりヤダ……。



