[要sid]






窓から聞こえるのは。
時々家の前を通る軋んだ車のエンジン音。


自転車の車輪の音。
木々を揺らす風の音。

キッチンから、家政婦のリンダが作る朝食の目玉焼きが焼ける音。


そして、隣から気持ち良さそうな寝息。





穏やかな朝の時間。


そんな朝の音に、耳を澄ませるのがなんとも心地良い。




俺はさらに視線を落とす。
白いシーツに顔を埋めて眠る未央。

部屋を吹き抜ける風が、その茶色の柔らかい髪を揺らしてる。

少しだけ開いたピンク色の唇から白い歯が覗き、華奢な肩は、心地よいリズムで上下してる。



「……」



……ったく、呑気なもんだな。