薄く茶色がかった瞳の中。
真っ赤になったあたしが映ってる。
要の瞳の呪縛にかかったまま、あたしは瞬きも出来ずにいた。
どれくらいたったの?
掴まれたとこがジンジン熱い。
どうしていいのかわからずに、思わず涙目になる。
ドクン
ドクン
「……あ、あの……要……」
耐え切れなくて、そう言った時だった。
――バターン
勢い良く玄関の扉が開く音。
そして……。
「おじゃましまーす!」
固まっていたあたし達の空気を揺るがす程の声。
「……!」
その声に驚いて、つながっていた手が離れた。
び、びっくりした……。
まだ心臓がドキドキしてる。
さっきまで強い力で掴まれていた手首をキュッと握りしめた。
なんだったんだろう……。
息がつまりそうだった。
見上げると、あたしの視線を逃れるように要は火のかかってるお鍋の中を覗き込んだ。
「……」
要……。
あたし……。
「こんばんはー」
催促するように、玄関からは聞き覚えのある声が聞こえた。
「……はぁーい」
あたしは、要に視線を残しながら慌ててリビングを出ると玄関に向かった。



