どうしたんだろう。
美咲さんの顔には、笑顔がない。
むしろその逆で、困ってる……のはあたしの気のせいかな?
「未央ちゃん、あそこの席に座ろう」
「あ、はい」
レジに近い席に座る。
ここはお店の中をよく見渡せた。
お昼時の今は、OLさんや女子大生のお姉さん達がランチを楽しんでいるようだった。
うあ。
あの人、すごい。
1番奥の席には女の人が1人。
彼女は、大きな顔より大きなパフェをとっても美味しそうに頬張っていた。
「……」
……あれ?
要、いないや……。
メニューを持った美咲さんがこっそりとあたしに耳打ちした。
「未央ちゃん、この人誰?」
「え、えーと。 なんて説明したら……」
ジロっとケンゾーさんを探るように見た美咲さん。
そんなあたしと美咲さんに気づいたケンゾーさんは、真っ白な歯を見せて笑った。
「俺は未央ちゃんの、未来の旦那様さ」
「えええッ!?」
「はあ?」
なッ!
何を言うかと思えばッ!
この人、やっぱり変ッ!
「未央ちゃん、なんでこんなヤツと一緒にいるの?」
「いやー……なんでだろ」
ほんと、なんでケンゾーさんとわざわざ要のバイト先に来てるんだろう。
絶対怒るよぉおお。
はああ……と持っていたメニューに顔を埋めた、その時だった。
――カランコロン
涼しげな音を上げて、お店のドアが開いた。



