「……笑うとこ?」
「あはは、 だって……だって要が」
「俺がなんだよ?」
小さく笑うあたしに、ジトッと目を細めた要はさらにその距離を詰める。
重なる体。
密になる距離。
耳元で鳴り響く、心臓の音。
濡れた髪から、シャンプーのいい香りがして。
同じように、あたしを見つめるその伏目がちの瞳も濡れていて。
熱っぽくて。
このままアイスみたいに溶けちゃいそうだよ。
少しだけすねてる要の、その髪に触れたくて、あたしはそっと手を伸ばした。
クシャリと持ち上げたら、要の瞳が細くなる。
――ああ。
あたし、変だ。
下にはケンゾーさんがいるっていうのに……。
要に触れたい。
もっと、要が欲しいよ……。
「――要が……かわいいから……」
「……」
そう言ったあたしを見て、驚いたように大きく見開いた瞳の中に、真っ赤なあたしの顔が映っていて。
恥ずかしいけど、でもそんな事が嬉しい。
この距離に要を感じることが出来て、嬉しいって。
そう思えるよ?
「……かわいいって、言われて喜ぶ男いると思う?」
「でも、要はかわいいんだもん。 かっこいいけど、でもすっごくかわいい」
ホントだよって言って、あたしはにっこりと笑って見せた。
「…………変なヤツ」
「えへへ」
要はそう言って、甘い微笑みをくれて。
そして、もっと甘いキスをくれた。



