「――……しー。 静かに」
そう言ってあたしの唇に人差し指をあてたのは、せっけんのいい香りがする要だった。
「要? なにしてるの?」
「あんまり気持ち良さそうだったから。 ちょっと見てた」
「……見てたって」
そう言って、にやりと悪戯に微笑んだ要。
要のその顔に、あたしは弱い。
ドキドキして、ただ要が同じベッドにいるってだけなのに。
あたしの心臓は限界を知らないくらい加速する。
要にだけに、反応するあたしの体。
月明かりに照らされた要の髪が、光に反射してすごくキレイ。
「……」
髪に触れる要の大きくて華奢な指が、なにかを確かめるようにあたしの唇をなぞる。
ドクン ドクン ドクン
そんな事されたら……あたし、どうしていいかわかんないよ。
体の奥から溢れる感情に、視界がジワリと滲んだ。
あたしの反応を楽しむように、要の指は唇から、首筋、そして鎖骨に触れた。
「……っ……」
それだけなのに、体がビクッと震える。
恥ずかしくて、あたしは要の視線から顔を背けた。
でも、それはさせてもらえなくて。
要の手が、しっかりとあたしの頬に触れて、今度は体ごと重ねてきた。
「よそ見すんなよ。 ちゃんと俺を見て」
「……だって……」
「“だって”なに?」
あたしを囲うように、顔の横に両手をついた要はムスッとしたように唇を尖らせた。
その顔がかわいいなんて。
あたしもどうかしてる……。



