視界に入る全てがオレンジ色。
そして、きっとそれは一瞬で。
すぐに赤く変わり、空は群青色に色を変えるだろう。
だからかな。
この瞬間が儚く思えるのは……。
「――綺麗だな」
思わずこぼした言葉に、未央は「ほんと、綺麗」と小さく溜息をついた。
自転車を脇にとめて、俺は地面に腰を下ろす。
未央もすかさず、俺の隣に座り、楽しそうに俺の顔を覗きこんだ。
「ねぇ、ほんとに永遠になりそうだね」
「何が?」
首を傾げた俺に、未央はプゥっと頬を膨らませる。
『永遠』って、あの?
ふっと鼻で笑った俺を、ジロリと恨めしそう睨んだ未央。
両手をついて、空を仰ぐ。
東の空に一番星を見つけた。
その先は、もうオレンジではなくなっていた。



