[未央sid]






「……え、なんで?」



……うそ。



信じられない。

だって、ありえないよ。



「や~、未央ちゃん!会いたかったよ」



瞬きも忘れたあたしに、真夜中にも関わらず太陽のような笑顔をふりまく人。



自分がパジャマで、寝癖のついたのもお構いなしであたしは呆然と玄関に立ち尽くしてた。




「で、でも、どうしてケンゾーさんと要が一緒に帰ってくるの?」




ワナワナと震える指先を、満面の笑みを浮かべるケンゾーさんに向ける。


だって、あんなに仲悪そうだったのに!





要と言えば、うんざりしたように顔を背けたままポリポリと眉を掻いた。




「――まあ、ちょっと色々あって」


「道を歩いていたら要と偶然出くわしてさ。 ちょうど俺も今夜泊まれる場所を探しててね。 んじゃ、おっじゃましまーす」


「え?……あ、はい」




呆気にとられたままのあたしの横をすり抜けて、ケンゾーさんはドカドカとリビングへ向かった。


その後姿を見つめていると、「はあああ」と大きな溜息が聞こえて顔を上げた。




「……要、これってどう言う事?」

「んーーーー……」