なんとなく未央の姿を直視できない俺。
「起こしちゃった?」そう言いながら足元に視線を落としてサンダルを脱いだ。
「うんん、そうじゃないよ。 でもこんなに遅くなるんだ。 ジンさんの代わりって思ってたより大変なんだね」
短いパンツ姿の未央は、今まで寝てましたって顔でトロンと目を細めた。
「んー……ま、初日だしな。 明日からもっと早く帰ってこれるよ」
ピョンと寝癖のついた長い髪。
まるで誘われるように、俺は未央の髪を指に絡めとった。
「……そか。 よかった。 あんまり無理しないでね」
「……ん」
髪をかきわけ、そっとその首筋に触れた。
鞄を廊下に放り投げると、そのまま腕の中に小さな体を押し込める。
「……要? どうしたの」
シトラスの甘い香りが、俺を包み込んだ。
トクン
トクン
心地よい心音。
落ち着く。
これは、きっと俺の。
ドキン
ドキン
そして、次第に加速するもうひとつの心音。
この感じ、好きだな。
俺は確かめるように、未央の耳の後ろから手を回してその唇にキスを落とした。
頬、瞼、口元、おでこ。
耳たぶに甘噛みをして、首筋に唇を這わす。
「……ッ、あはは。 く、くすぐったいよ~」
身をよじらせて笑う未央を逃がさないように、腰に手を回してさらにグッと引き寄せた。



