「……ッ……え、あ、あたし達は、えーっと……そろそろ出かけようかと……ねっ、要?」
思わず身を引いたあたし。
しどろもどろで引きつった笑顔を作ると、慌てて振り返った。
いきなり話を振られた要は、あからさまに迷惑そうに眉間にシワを寄せて。
「え? あーーー……まあ?」
なんて曖昧に返事をすると、さっさとリビングを出てってしまった。
……う。
結局、なにも言えなかったよお。
これで、ちゃんと仲直りできたのかな?
あたし達……。
要の去った後のドアを見つめていると、いつの間にか隣に並んだおばさんが腕を組んであたしを覗き込んだ。
「なぁに? あれ。 ってあたし、もしかしてお邪魔だったかな?」
そう言って、ニヤリ。
なんとも楽しそうに含み笑いするおばさん。
「え!? 邪魔なんて、と、とんでもないッ! ……ところでおばさん、なに忘れたの?」
真っ赤になって両手を振るあたしを見て、おばさんは「あ、そうだった」なんて言って小走りでお風呂場の方へ行ってしまった。
おばさんと要って、やっぱり親子だよなあ。
あの悪戯っ子みたいな含み笑いするとこ、そっくりだ。
「…………」
誰もいなくなったリビング。
はああ、疲れた……。
一気に脱力感に襲われたあたしは、大きなソファにトスンと腰を身を沈めた。



