キョトンとして瞬きを繰り返す要。
そして、それを直視できないあたし。
なんでこんな事になってるんだっけ?
なんであたしは、こんなに怒ってるんだっけ?
自分が自分でわからない。
「……」
おばさん達がいないことを、要が知らないのだって。
わかってた。
それを突然知ったからって。
なんにも動じないってわかってる。
いつだって飄々としてて。
いつだってあたしを惑わせる要。
だけど……
だから不安になる。
だから、ちゃんと言ってくんなきゃ
わかんないことだって、あるんだ。
お互いに不器用なあたし達。
声が誰かに持っていかれたみたいに。
喉の奥から出てきてくれない。
どうしちゃったの、あたし。
怖くて震える。
要があたしを見据えるたびに、いつだって感じる。
見透かされてるって。
あたしのことなんか全部お見通しで。
そんな要は、確信犯だよ。
唇をキュッと閉じて。
落としていた視線を上げた。
その先には
あたしを真っ直ぐ見つめる、要の姿。
少しだけ長い前髪の隙間から、あたしを見つめるその視線が俄かに揺れていた。
「あのさ、未央」



