「うぅ……ひど……。そんなに笑わなくても……」
「……っごめん。 あー、はっ腹いてぇ……あはははっ」
あたしの顔をチラリと見て、要は目じりに溜まった涙を人差し指で拭った。
サイテーっ!
もう要なんて知らない!
あたしはいまだに笑い続けてる要をジロッと睨むと、ソファから勢い良く立ち上がった。
「……ふー、笑った。 って、未央?どこ行くの」
パチクリと瞬きをした要。
その髪をフワリと揺らして首を傾げた。
「……別に」
そんな要をさらにジトーッと睨む。
だけどあたしの小さな抵抗もむなしく、要はクッと口角を持ち上げて反対に小首を傾げた。
ま、負けるもんか!
「なーにすねてんだよ」
「……すねてない」
「んじゃ、怒ってんの?」
「怒ってないっ!」
思わず大きな声を出してしまって、ハッとして口をつぐんだ。
「……」
「……」
ど、どうしよう。
もしかして、怒らせちゃった?
あたし、可愛くない。
もお、なんでこんなに素直じゃないんだろう。
なんだか気まずくなって、オロオロと足元に視線を落とした。
「未央」
その声と一緒に足元に影が落ちた。
声に誘われるように顔を上げると、すぐ傍にきてた要があたしを見下ろしていた。



