「うーんっ、おいしい! 幸せ~」
冷たくて甘くて。
しかも、これってあたしの大好きな苺味。
こんなに極上の幸せってないよ。
思わず両手で頬を抑えると、すぐさまリビングでケーキを頬張っていた要の呟くような意地悪な声。
「……ぷ。 単純」
「…………」
……き、聞こえてますけど。
固まったあたしの顔はボボボって音を立てて熱く火照る。
ジロリと要を見やると、すました顔で最後の一欠けらを口に放り込むところだった。
なによー。
「要は無関心っ」
「……あ?」
ツーンって感じで顔を背けたあたし。
そして今まさに口に入る瞬間だった要の手が止まる。
眉がピクリと動くのが見えた。
……でも。
そんなの関係ないもんねっ!
さっきから要の機嫌が悪いのがいけないんだから。
「お前ねぇー……」
呆れたような、溜息交じりの要の声が聞こえたのとほぼ同時。
――カチャ
リビングのドアが開いて、2階に行っていたおばさんが顔を出した。
その手には、大きな鞄……。
……え? 鞄?
そして。
おばさんは大きな鞄を肩にかけなおすと、あたしと要に交互に視線を送る。
「それじゃ1週間、よろしくね」
そう言ってにこり。
――――……はぃ?



