その先に、だるそうに窓に頬杖をついた要の姿。
あたしの視線なんかまるで気づかないで、要は流れる景色をひたすら目で追っていた。
「……」
……なんでえ?
要……
あたしがさっき、ちょっと態度悪かったから?
なんで?
色々考えていたら、ジワリと視界が滲んできて。
あたしはキュッと唇を噛み締めた。
要の……バカ……。
狭い車内で密着してる体。
そこから熱をもって溶けちゃいそう……。
こうして、気まずくなってる時って。
余計に相手の行動が気になっちゃうよ……。
早苗が少し身を乗り出すように助手席の旬を覗き込んだ。
「――そうだ。 ね、旬っ、なんかジンさんから伝言あったんじゃなかった?」
「あー、そか。 すっかり忘れてた。 ……桜井達さ、これからなんか予定ある?」
ハッとしたように、旬は振り返りながら携帯の画面をカチッと開いた。
「うんん、あたしは……ないよ? でも……」
そう言って、チラリと要を見上げてみる。
要と言えば、少し面倒くさそうに視線をあたしに合わせると頬杖を解いて、足の上で手を組みながら言った。
「ないけど?」
「そっか。 んじゃ、荷物置いたらカフェに来てよ」
どこかにメールをしてるようで、旬は携帯を見つめたまま応えた。
要はちょっとだけ不審そうに目を細めると。
「…………伝言ってそれ?」
「んー……ま、とにかく顔を出せってことだろ」
旬の答えに納得いかないと言った感じで曖昧に「ふーん」と言ってまた窓の外に視線を向けた要。
その態度に思わずビクリと震える。
……やっぱ怒ってる、よね?



