「黙っててごめん。 未央、旬の事好きだったでしょ? だから……なかなか言い出せなくて」
「……」
そう言って、口をつぐんだ早苗はふと足元に視線を落とした。
わかってるよ早苗、それは優しさだもん。
あたしは両手を上げて、早苗の頬をクイッと持ち上げた。
「……大好きな2人が幸せでよかったっ!」
「……未央」
なんだか、そう言ったあたしが泣きそうになってしまった。
「……んじゃ、行こうか」
「うんっ」
次に顔を上げた早苗はいつもの早苗で。
あたしの手を優しく引きながら、大きくて少し吊り上った瞳を細めた。
あたしと要がアメリカに行っている間。
思い出はそこで時をとめていたけれど……。
時間はしっかりと流れていて。
その変化に驚きながら
あたしはちょっぴり切ない気持ちを初めて感じていた。



