「早苗って、旬のこと名前で呼ぶようになったんだあ」
あたしが日本にいた頃は、早苗は“旬”じゃなくて旬の苗字で呼んでたもんね。
だから、なんとなく違和感があったんだ。
違和感の正体は、それだったんだ。
今日も2人だけで迎えに来てくれたし。
「仲良くなったんだね」
そう言いながら、早苗を見上げたあたしは、思わず目を見開いちゃった。
「え? ちょ、どうしたの……早苗」
だって、早苗ってば真っ赤。
「……未央」
真っ白な肌がピンク……うんん、もうリンゴ見たく真っ赤に染まってる。
もしかして……早苗……。
「あたし達、今……付き合ってるんだ」
「ええええッ!?」
男勝りの早苗。
いつでもサバサバしてて、いつもピンチからあたしを救ってくれた早苗。
その早苗が、頬を染めている。
もう、その姿は“色っぽい”。
きゃあああっ!
なんか……なんか……ニヤけちゃうんですけどぉーっ!
早苗のが伝染してあたしまで真っ赤だ。
その時タイミングよく、旬があたし達に声をかけた。
「おーい、何してんだよ? 置いてくぞ」
その声に、2人してドキーって感じで飛び跳ねた。
「今行くーッ」
慌ててショルダーを肩にかけなおすあたしに、早苗が小さく声を零した。
「……未央」
振り返ると、真っ直ぐにあたしを見つめる早苗と目が合う。
その瞳は真剣で、でもその中が俄かに揺れていた。



