機体は大きく旋回をして、スムーズに滑走路に滑り込んだ。
搭乗口を抜けて、チェックインを済ませたあたし達。
実は昨日、早苗にメールしようと思ってやめたんだ。
ビックリさせたくて。
早苗の驚いた顔を想像して、思わず頬が緩んじゃう。
むふふ。
ロビーに出ると、見覚えのある景色が広がった。
「……あ」
大きな電光掲示板が慌しく動いている。
そこは、あたしがアメリカへ行く時にみんなが見送ってくれた場所だった。
あれから1年。
なにも変わってない。
その事に少しだけホッとしつつ、あたしは辺りを見渡してそのまま固まった。
「みーお~~~っっ」
……息を呑む。
「……うそ……」
「おかえり~~!」
去年の冬。
あたし達がいたあの場所に、見覚えのある顔ぶれ。
その瞬間、一気に視界が滲んで見えなくなった。
「なんでぇえええ? 早苗ええええっ」