固まってしまった未央。
俺の顔を見つめたまま、その瞳はグルグルとまわってる。
このままじゃ、コイツ倒れるかも。
やば。
ちょっと意地悪しすぎちゃった?
吹き出しそうになるのをなんとか堪えながら、俺は未央から体を離すとにゃははと笑って見せた。
「未央も一緒に帰るだろ?」
「……へ」
呆気にとられてる未央を置いて、俺はノートパソコンを起動する。
チケットチケット……。
カチカチとマウスで画面をスクロールしながら、突っ立ったままの未央に声をかけた。
「2週間くらいは向こうにいれるから、あの背の高い友達に連絡しといたら?」
「……え、早苗?」
突然グイグイッとTシャツを思い切り引っ張られ、その勢いで首が絞まる。
「ちょ、なに?」
「……いいの? あたしも一緒に行って!」
「いいもなにも。 おばさんも承知だよ。 ってか離せ」
「や…………やったあああああ☆」
よれたTシャツを元に戻しながら恨めしげに睨んだ俺なんかお構いなしで、未央は「キャッホー」と飛び跳ねて喜んでる。
……ほんと、単純なヤツ。
その姿を眺めてから俺は再び画面に視線を戻した。
「早苗にメールしよっ」
いつの間にか俺達の間を漂ってた気まずい雰囲気なんかどこかへ消えて。
未央ときたら大きな鞄を取り出して、早速準備を始めた。
明日、帰国する。
約1年ぶりの日本だ――――……。



