芽生える思い





「…真由…。」

「…ん?」


だめだ…



優、泣きそうな顔してるよ…。


どうすればいいのかな…?




「…どうすればいいのかな…?」


「…優はそんなにあいつのこと好き?」



「…うん。」


なぜか心が痛む…。




さっき優が“栄太”って言った瞬間…


何か変な感情を覚えたんだよねー…。



どーしたのかな、あたし。





「…ねぇ、正直に聞いていい?」


優の表情がまた変わる。



またこの表情…

またこの真剣な…



どんどん心臓が高鳴る。





「……真由は…栄太くんのこと…」


「好きじゃないよ!!」


優が質問し終わる前に、私は答えた。


最後まで聞かなくても答えられたことだったし…。



しかも、いきなり大きな声で言ってしまったから、優の目が見開いている。






ってか私が、栄太のこと好きだなんて…


絶対ありえないことだったから…。



私が栄太を?

好きになるわけないじゃんっ!