芽生える思い




「いったぁい!もぉっ!」


口を膨らませながら優は言った。




「もぉ!ってこっちのセリフだしっ!先に行くなんてズルい!」


「はぁー?真由が栄太くんと話してるからじゃん!!」



…あれ?

優、苛々してる…?



あたし…何かしたっけ?





「ごめんって…。」


心当たりがないから、とりあえず謝る事にした。



謝らずにややこしくなるよりましだと思ったから。





優…何怒ってんのー…?


「おーい!座らんかっ!」




先生が出席簿の平べったい部分で、頭を軽く叩いてきた。



「あーすいませーん。」


私は、駆け足で自分の席に着く。




「さー授業始めるぞー!教科書のー…」


授業が始まっても私は、集中できなかった。




優の態度が気になる。


何か…栄太絡みになると不機嫌になる…






……!?


もしかしてっ!!!?