「お前、言ったろ!?」

『うん。口止めされなかったし。興味も無いし。』


赤い顔で睨まれても、照れ隠しにしか見えないし、怖くない。


「で、で、どーなの?」


質問の答えが聞きたいらしく、滝本くんに詰め寄るあかり。あかりの方が、よっぽど恐い。


「え、つか、なんで暴露しなきゃいけないんだよ!」


迫力に押され気味だったが、なんとか持ちこたえて、声を大にした。


「別にいーじゃない。減るもんじゃないし、名前聞いてる訳じゃないし」


あかりは肩を竦め、早く答えてよ。と滝本くんの肩に手を置いた。


「減る!確実に何かが減る!!つか、名前聞かれたら、告白になるだろ!!」


そこまで言って、滝本くんがしまった、という顔になった。

・・・・語るに落ちたな。


「つまり、この学校で、しかもクラスメイトなんだね。好きな人。」


紗知が綺麗にまとめた。
滝本くんはまたゆでダコみたいに、真っ赤になっている。


「沈黙は肯定と見なす。」

「決まりだね。」


あかりが言えば、反撃する間もなく、歩が手を打った。


「白熱したね〜」

『薫・・・・あんた、いつから聞いてたのよ。』


のほほんと笑っている薫に、少しながらも驚いた。


「お前ら、鮫島はずっといただろーが。」

「ずっとじゃないわ、先生。ここに来たのは今で、話はあそこで聞いてたのよ。」