「歩花!!!悠斗君に挨拶なさい!!!!!!!」
ママの怒鳴り声に差し出された手に軽く触れ、すぐに離した。
「…どーも」
「ごめんなさいねぇ?小さな頃から家を空けてたから叱る人がいなくてワガママに育っちゃったのよー…明日からビシバシ鍛えてやって頂戴ね♪」
…―明日?
「明日ってどういう事??!!!」
見ず知らずの男と明日から2人で生活するなんて冗談じゃない!!!!!!
「え?明日には発つわよ?悠斗君を歩花に会わせたかっただけだし♪ウィーンで講演会があるのよ?」
「悠斗君になら安心して歩花を任せられるよ…ねぇ、ママ?」
パパの問いかけに大きく頷く。

