車が走り出すと会話のない車内には音楽だけが流れる。 「つか…お前さー…」 「…何?」 「何で後ろに座るんだよ」 ルームミラー越しにあたしを見ながら聞く。 「普通は後ろでしょ?」 「何でだよ…」 大きくため息をついて呆れたように呟いた。 窓から流れていく景色を見つめる。 多分、車に流れる音楽はコイツの好きなクラッシック… ハンドルを握る長い指がリズムを刻みながら動いている。 まるで…ピアノを弾くように…