全ての荷物を車に詰め終わると、シェイクはすぐに車のエンジンをかける。今すぐにでも出発可能の状態にする。


「……本当に出発するの?せっかく自分の国に来たんだからもう少し休んでいったらいいのに」


「いいんだよ。これ以上長居をすると俺はこの国から出たくなくなっちまう。自分の国はまた戻れる。今度は気兼ねなくな」


 それを聞くとルシアは笑みを浮かべていた。まるで自分のことのように。


「……色々お前には心配をかけちまったな。」


「良いんだよ。シェイクが困った時に助けなくちゃいけないのは私なんだから」


 そう言って二人はお互いの顔を見つめる。そして同じタイミングで笑顔になって、


「行こうか」


「うん」


 規則正しかったエンジン音が急に粗く吠える。程なくして先程まで止まってた車が動き出した。


「次の国はどんなところかな?」


 二人を乗せた白い車はゆっくりと白い地平線の中に消えて行った。