「モグラおばけさん。僕の願い事を叶えてくれるよね?」

あれ?そういう感じ?
ちょっとやばいぞ。

「げほほ。ん~~~。最近ちょっと体調を崩してな~。
聞ける願い事と聞けない願い事があるんだが・・・」


ナイスじゃね?僕。


「・・・・え?・・・・ほんとに?」


うわ~~~。
泣きそうだ。やばいって。


「あ~~~!いやあ、とにかく、言ってみろ。何が願い事なんだ?」

「・・・・・・叶えてくれる?」

おっと。
疑り深くなってきた。

「おう!何でも言ってみな!」

わ~。適当に言っちゃったよ。
いくら何でも、俺には何も出来ないって。





「僕をいじめる奴らに仕返しがしたい。」

おっと。
そういう願いね。


「さっきの奴らか。」

「うん。」


そういえば、何かを言われて泣いてる子がいたけど、
それが、この子だったのか。

「どうしたいんだよ?」

「消して欲しい・・・・・」

「け!!?
消す!!!?
そりゃ、穏やかじゃないな。」

ゲームじゃあるまいし。
今時の子は、そんな感じなのか。

「だって、毎日毎日、僕を追いかけてきて、
蹴ったりするんだもん。いなくなっちゃえばいいんだ。」

「・・・・お前なんかやったのか?」

「何もやってない。・・・・でも、お前が悪いって。」


しくしく泣き始めた。

これは、僕の出番じゃないぞ。
適当に言って、この場をのがれよう。


「明日のこの時間に、そいつらをココへ連れてこい。
お前に二度と手を出さないように魔法をかけてやる。」

「ほんとに!?」


うわ~、めちゃくちゃ嬉しそうだ。
やばい。
これはかなりやばい。

「じゃあな!」

と、すたすた小学生を背に歩いた。

「あれ?モグラなのに、土に帰らないの?」

「え!?
ああ。俺は神様だぞ?
今は下界に降りてきてるから、しばらくはこんな感じだ。」

僕もよくこんなことを思いつくな。
でも、小学生は、信じてくれたみたいだった。

「神様!よろしくお願いします!!!」





ははは。
二度と来ないよ。