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『凛子~暑い』
俺は哲の家にいた。
哲は今、宿題に夢中。
なぜならあと3日で夏休みが終わってしまうからだ。
きっと、今の哲には俺の姿も凛子の姿も見えていないだろう。
「恭ちゃん、はい。これ、あげるよ」
凛子は哲のお母さんの真似をして俺を恭ちゃんと呼ぶようになった。
『お!サンキュ!』
凛子は俺にアイスを渡す。
「美味しいよね、このアイス」
凛子はソフトクリームを舌先でなめる。
その姿がなんだかエロく見えてしまって。
哲の妹だぞ?
何ちょっと意識してんの?俺。
そう自分自身に言ってみても、なぜか胸のドキドキはおさまらなくて。
ってよく見ると凛子…かなり可愛くなってないか?
今までそんな意識して見てなかったからそう思わなかっただけなのか、
夏の暑さにやられてそう見えてしまったのかは分からない。
でも、凛子を好きだって思うキモチが芽生えたのはきっと、このときだ。


