「恭ちゃーん!!」
今日は凛子のほうが先だったようだ。
待ち合わせ場所の公園に着くと、凛子が駆け寄ってくる。
『珍しく凛子のほうが早かったな』
凛子が先に来るのは結構稀(まれ)だったりする。
「えへへー」
凛子はそう言って笑っていた。
『泣き顔もいいけどやっぱり、笑ってる顔のほうがいいよ』
って俺。何サラッとキザ男みたいなこと言ってんの?
自分で言っといてあれだけど、鳥肌が立つ。
「今日の恭ちゃんヘンだよー!」
凛子はそう言いながら嬉しそうに俺の腕にくっつく。
「ね、今日こそ恭ちゃんの部屋、言っていい??」
え…
それはまた話が別…じゃね?
「またダメなのー?!
じゃあキスしてくれたら許す!」
いやいやいや。
まだ公園にちっちゃい子いるしね。
教育上よくないよね、そういうの。
って2回目からはへっちゃら、みたいなこと言っておいて結局照れてんじゃんか。俺。


