いつもの公園で凛子が来るのを待っていた。


いつもなら、こんな時間すぐに過ぎてしまうのに。

なぜか凛子を待つこの数十分がとてつもなく長く思えてしまう。




『あ…凛子っ!』


公園の前に凛子の姿が見えて俺は駆け寄る。




「……………っ」


やっぱり、元気がない。



全部、俺のせいなんだよな。

意気地なしの俺のせい。




『なぁ…凛子』


そう呼びかけても凛子は俯いた顔をあげてはくれない。




『俺、お前のこと…不安にさせてた?』


自分でも気づかないうちに人を傷つけてることってあるんだな。

俺、まだ何も分かってなかった。




『不安に…させてたんだよな。

ごめん、凛子』


俺は凛子に頭を下げた。



でも凛子が発したのは俺の予想とは違う言葉だった。




「あたしが欲しかった言葉はごめんじゃないんだよ…」