『はぁ?なんだよ、それ』


哲、頭大丈夫か?

俺、お前の言ってることイマイチ理解できねぇーわ。




『だから、昨日帰り道で好き?って凛子に聞かれて好き、ってちゃんと言わなかったろ?って俺は聞いてんの!』


なぜか苛立ってる哲。

苛立ちたいのはこっちだってーの。




『言わなかったよ。

それがどうしたんだよ?』


ダメだこりゃ…と、言わんばかりの表情のこの2人。

言いたいことあんならはっきり言ってくれればいいのに。




「恭平くんさ、女心って複雑なんだよ?分かってる?」

哲に代わり、みーちゃんが話し出す。



「女の子はね、不安になるんだよ。

キモチを言ってあげないと、自分のこと、好きじゃないかもーってなっちゃうの。


好きなら好き、ってはっきり言ってあげないと何も伝わんないよ?

凛ちゃん、昨日泣きながら言ってた。


恭ちゃんはあたしのことなんて好きじゃないんだー…って。」



やっと、理解できた。

思い当たる節はただ1つ。


昨日の帰り道だ。


俺が照れて好きって言えないから凛子は不安になったんだ。




「間違った道に行っちゃう凛ちゃん止められるのは恭平くんだけだと思うよ?」


そんなみーちゃんの言葉に俺は携帯を取り出した。


ホントは走ってお前のところに行きたかったんだ。