□□□□□ 俺はそのころ、小学1年だった。 そして凛子はまだ保育園に通っていた。 『おーい!哲~!!』 廊下の向こうに見えた哲の姿。 俺は周りの目を気にすることなく哲に大きく手を振った。 哲…小早川 哲哉(コバヤカワ テツヤ) 凛子の兄貴だ。 哲は俺と仲が良かった。 入学式で初めて喋り、席は前後。 家は歩いて30秒で相手の家に着くほどの近さ。 毎日のように遊んでいた。