『そう言えばさ』 哲は指をパチンと鳴らす。 『昨日、凛子が言ってたぞ? あたしは恭ちゃんの彼女なのに恭ちゃんの部屋に行っちゃいけないの。 って。 なんだよ?お前。 まだグジグジしてるワケ? それとも俺に遠慮してんの? だったら別に遠慮とかしなくていいからな』 哲はそう言って俺の肩をポンポンと叩く。 『別に遠慮とかしてねぇーし』 これは事実。 ただ、俺は未だに凛子にキスもできないでいた。 なぜかって? そんなの決まってるだろ。 ……………恥ずかしいからだ…っ!!