「ねぇ~恭ちゃん」
『ん?なんだよ?』
俺より20センチくらい背の低いコイツは俺の腕にからみつく。
「今度ね、恭ちゃんの部屋行っていい??」
『はっ?!なんで?!』
突然の言葉に俺は戸惑いを隠せない。
「だって~あたし、恭ちゃんの彼女だよっ?」
ん?と、言ってコイツは首を傾げ、上目遣いで俺を見つめる。
ってちょっと待て。
その顔…反則だろ…っ
「あれ~?どうしたの?
恭ちゃん、顔真っ赤だよ?
もしかして熱でもあるの~??」
俺の正面に回ると背伸びをして俺の額に手を当てた。
『あ、いや…そんなんじゃねぇから!!』
慌てて離れる俺。
「えー?ホントに大丈夫ぅ~??」
コイツは俺の彼女 小早川 凛子(コバヤカワ リンコ)
俺より3コ下の中学2年
そして俺は菊池 恭平(キクチ キョウヘイ)
高校2年
俺と凛子が出会ったのはもう10年ほど前のこと。