桃川中学校吹奏楽部


 
「・・」


「・・・」


しばらく赤くなって沈黙は続く

 

「へへ。」


「なんだよ」

 
「うれしくって」

 
「・・お前かわいすぎ」

 
「ばか」

 
そうしてふたりで笑っていると

 

「あはは、それでさー!」

「うんうん!」

 

私は一瞬にして固まった


・・栗林さんの声が聞こえた


だんだん声は近くなっていく


ハルもそのことに気づいたらしい

 

私とハルの姿は大きな木の陰に隠れているので


見えない可能性のほうが高いけど

 

たまに絶妙な距離で見えるときがある



公園の入り口をゆっくり通り過ぎる


2人の女



それは 栗林さんと



最近学年でも荒れてて有名な

 
近松朱音と一緒にいった


彼女独特の明るい色の髪は


すぐに彼女だと分かった