今日は街が一層とにぎやかで

 
快晴の空がそれをまた盛り上げるように澄んでいる。

 
私は携帯を開き 時間を確認する

 
時刻は9時57分

 
私はだがしや公園のベンチに座ってハルを待っていた。

 
そう


今日は さくら祭りの日

 
そして


ハルの14歳の誕生日。

 

ハルは誕生日だなんてあたしは知らないとでも思ってるんだろうけど

 

あたし、知ってるんだからね。


「あっ、ごめん、待った?」

 
ハルが自転車に乗ったまま私のもとへくる。

 
私服のハルも大分見慣れたものだった。

 
「行くか」

 
「うん、あ、そういえばさ、今週末入学式だけどさ・・」

 

「お、その話か」

 
ふたりで道に出ると



またいつものようにくだらない会話が始まる


「この時期にお前が休みってのも珍しいな」

 

「なんかあおちゃんが用事があるんだって」

 
「へぇ」

 
ハルの髪の毛が春風に揺られてサラサラとなびいている

 
「・・今日誰かいるかな」


「絶対いるな」


 
「先生とか見回りに来てたら厄介だね


「やべ、顧問生徒指導だからいるかもしんねー」

 
「綾瀬ー!って叫ばれるんじゃない?」


「やっべ」


そうして笑いながらくだらない会話を続ける