桃川中学校吹奏楽部

それが


あたりまえで


幸せで


人気があまりいない住宅街の細い道。


たまに通る車があるだけだ


「さっみーな!」


綾瀬くんは私にちょっとぶつかってきて


反対側に回る


「ほんと、さむすぎ」


「おっと」

車が綾瀬くんのほうを横切る


・・綾瀬くん

あたしは君の


そういうさりげないやさしさが


大好きです。


あたしを守るためにわざと道路側歩いてくれてるんだから


 
「あぁ、もうG組もあとちょっとだな」


「嫌、さみしい」

 
そのときびゅうと大きな音を立てて風が吹く

 

「さっぶー」



綾瀬くんは私のほうによってきた


そのとき


手がふれた


私はゆっくり微笑んで


クラリネットケースを持っていた左手を持ち替えて


ふたりで



手をつないだ