桃川中学校吹奏楽部

「・・はい、できた。」

 
改めてみた絵梨のピンク色の鏡には

 
「まあ、うっすーいメイクよ。ちょこっとだけマスカラつけて、ほんのりチーク入れてグロス塗ってるだけだから。」

 
いつもより少し長めのまつげ

 
ほんのり入れられたチーク

ピンク色のリップグロス。

 
いつもと一緒だけど ちょっと違う自分がいた。

 
「あっ・・ありがとっ」

「あ、マスカラはウォータープルーフだからっ、優里亜泣き虫なんだからぁ」

 
「もお。」


「早くしないと遅れるよ!さっ!行ったいった!」

絵梨はそういって背中を押す。

 
絵梨の家を出て


だがしや公園に向かった

 
綾瀬くんはまだきてなくて

 
最近ようやくつぼみが膨らんできた桜の木の下で

 
綾瀬くんを待った。


春になったら

このへんの桜並木あたりでさくら祭りが行われる。

 
携帯で時間を確認する

9時32分。


そろそろ綾瀬くんがくるはずだ。

 

「・・石澤?」


聞きなれた声がした。


「あっ、石澤だ。びびったー、違う人かと思った」