桃川中学校吹奏楽部

すぐに座った

 
よく見た


今日バスケ部は午前中練習だった


だから


余計に


そっとオレンジ色の箱に手を伸ばした

 

小さな同色の小花模様がちりばめられたカードに


綾瀬くんへ

 好きです。
 彼女いるのはわかってるけど、どうしても好きなんです。
 あたしでよければいつでも待つから付き合ってください。
 
                  栗林優歌

そうかかれていたカード。


すっごくショックだった。


くりばやしゆうか・・



B組の人かな?


たぶんバスケ部だと思う。


千波とはあんまり仲良くないみたいだけど・・

 
やっぱり


付き合ってても


綾瀬くんは綾瀬くん


あのモテる綾瀬くんだった


できればチョコを受け取って欲しくなかった


それはあたしのわがまま?

 
彼女いるから・・って


断って欲しかった


綾瀬くん

 
あたしはやっぱりわがままだったんだよ


「石澤?」


綾瀬くんが戻ってきた


やばい・・どうしよう・・


「見つけちゃった?」

綾瀬くんは気まずそうに苦笑いする


「あ・・まあ・・ね・・」


あたしもどうすればいいのかわからない



「ごめんなっ・・俺だってもらうつもりじゃなかったんだけど・・なんか勝手にカバンの中に入っててさ・・」


「・・ほんと?」

あたしって嫉妬深いと思った


わがままだと思った


自分が栗林さんの立場なら


すっごく悲しむのに


でも


今は


最初は綾瀬くんと付き合ってていいのかなって思ったけど


何とか倉本くんのことにカタがついて


あたしは今本気で綾瀬くんのことすきだから


「っ・・」


涙があふれた


綾瀬くんがあたしのことをどれだけ想ってるのかもよくわかってる


泣き虫


何でなくの


あたし