桃川中学校吹奏楽部

「へぇ~そうなんだぁ」


絵梨が銀色に光るユーフォを抱えて

私ににやにやしてきた。


「まぁっ・・でもしゃべったことないよ。倉本君と」


「まっ♪優里にも恋のはじまりとゆ~ことで」

からかってくる絵梨。


季節は梅雨に入ろうとしていた。


コンクールが着々と近づいてくる。


クラパートは人数が多いからコンクールには出ない。

うちの学校は地区予選はシードで、県大会からの出場だ。


だけどこの大事な時期に


いろいろな事件がおこってしまう。


土曜日。


先輩と1年生は1st2rd3rdに別れて

個人練をしていたときだった


・・校内放送がなった。


【吹奏楽部の人に連絡をします。今すぐ楽器を片付けて第2音楽室へ集合してください・・繰り返します・・】


いつもより低めの声だった。

青田裕次郎。顧問の声だった

みんなからは「あおちゃん」で親しまれている。


私達は楽器を片付けて教室の鍵をしめて


急いで音楽室へむかった