「なんと美しい。」
国王も前のめりになって宝玉を見据える。
「国王も見るの初めてなの?」
あたしはさりげなく国王に聞くと、隣にいた家来が何か言いかけたけど、国王は手でさえぎった。
多分、国王にタメ語だったのが気に食わなかったのだろう。
「あぁ、わしも宝玉を見るのは初めてじゃ。」
そう微笑んで言うと、再び国王は宝玉に視線を向けた。
「レイもノエルも見たことないの?」
「はい、僕もこのような美しい物は生まれて初めてです。」
レイは驚嘆の声をあげ、宝玉を食い入るように見つめた。
ノエルに視線を動かすと、ぜんぜん興味のなさそうな顔をして、こちらを見ていた。
なんだよ、あいつ…
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