「その為にはさっきも言ったが、8人の選ばれし者が必要じゃ。
その1人、大空に選ばれし者が…
笹木 茜菜…
お前のことじゃ…」
うんうん…
って、えっーーーーー!!
「嘘だろ!?」
「嘘ではない。」
国王はあたしの言葉に迷いもなくきっぱりと言う。
口を金魚のようにパクパク動かしてるあたしを国王は穏やかな笑みで見据える。
レイもノエルも驚きを隠せない様子だ。
「いや、無理だから、世界とか救えないからッ!!」
だって、あたしついさっきまでごくごく普通の女子高生だったんだぞ
いやっ、普通ではないか…
あたしはそのことに強く否定したが、国王は穏やかな笑みを崩さない。
「無理ではない。そちには選ばれし者に必要な心の、真の強さを感じる。」
あたしはそれを聞いて、胸の奥ががドクンと高鳴った。
国王は何の根拠で言ってるのかは分からねぇけど、
あたしは…
「───あんたが思ってる程、強くねぇよ…」
国王から視線を外し、自分の足元に視線を向けるあたし。
そんな大役、あたし以外でももっと相応しい奴がいるはずだろ?
何であたしなんだよ…
……真の強さ、って何?
「ていうかあたし、宝玉だかなんか知んないけど、そんなの持ってないぞ。」
そう言ってあたしは顔を上げると、国王は微かに紫色の瞳を細めて笑っていた。
あたしはその紫色の瞳をじっと見据えて、国王の次の言葉を待つ。
「…では、その服の中を探ってみるがよい。」
国王はさも自信ありげにあたしの制服のポケットを指差した。
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