その興奮を静めたのは殴られた頭の痛みだった。


「いってぇーー!何すんだよ!!」


あたしは殴られた頭をさすりながら後ろを振り返ると、ノエルが不機嫌顔で立っていた。


あたしは涙目ながらもキッと睨みつけると、ノエルは怒鳴り始めた。


「ごちゃごちゃうるせぇんだよ!!さっさと話を聞け!」


あたしはノエルの言葉に我にかえり、国王の方を見ると


部屋の隅で"の"の字を書いていじけていた。
それを家来が宥めている。


「親父は話を聞いてくんないとすぐいじけるんだよ。お前がいじけさせたんだからお前がどうにかしろよ」


そんな無責任な言葉を残したノエルは元居た場所に戻り、床に座りこんでそのまま仮眠をとってしまった。


レイも他人ごとのように苦笑いを浮かべている。

薄情者…;


ノエルのことを恨めしく思うが、あたしは謝りに国王の方に近づいていく。


「ゴッ、ゴメン…つい、いつものくせが…」




.