え……
あたしはすり抜けた自分の手のひらを恐る恐る見つめる。
胸にこみ上げる思いはシーラを助けることができない悔しさ
あたしは手のひらを拳に変えると、強くそれを床にたたきつけた。
なんでだよ!?
どうしてシーラだけ助けられねぇんだよ!?
この気持ちを抑えることが出来なくて、床にドンドンと拳を痛めつけるあたし。
そんなあたしの行動を静止させるように、透明な手があたしの拳に重なった。
あたしはゆっくりと顔を上げる。
そこには太陽を逆光に浴びるシーラの姿があった。
白い髪がキラキラと光り、優しい微笑みを浮かべるシーラ。
その様子はまるで…
天使みたいだった…
あたしがそんなシーラを見つめていると、シーラは耳元に近づき、こう囁いた。
「フィリアと、ライオスをよろしくね…」
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