「え…………?」
一瞬時間が止まったかのように空気が凍りつく。
フィリアはシーラの体から離れ、
「な、なんで?どうして一緒にいられないのッ!?」
と震える声で尋ねた。
するとシーラは顔を曇らせると床に視線を移した。
「私は妖精としての力全部を、フィリアを助けるために使っちゃったの。
妖精はその力がないと生きることは出来ない。
今のこの体がその証拠」
顔を上げたシーラは苦笑いを浮かべ、力なくそう言った。
その表情がもう今にも消えてしまいそうで…
あたしはぎゅっと強く拳を作る。
「そんな………、消えない方法はないのかよ!?」
あたしは信じられなくて、そんなシーラにしがみつこうとした。
でも、あたしの腕が虚しくシーラの体をすり抜ける。
「もう、遅いよ……」
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