「茜菜…」
後ろから聞こえるレイの言葉であたしはハッと我に返る。
そうだ、見惚れてる場合じゃないんだった
「フィリア、ごめん。その宝玉渡してくんないか?あたし達にはそれが必要なんだ。」
そう言って、フィリアの胸にある宝玉に触れた時
宝玉は銀色に光り、ドアの方に孤を描くように飛んでいった。
それを目で追うと、ドアの前が銀色に光った。
たぶん置き去りにしていたパルソナの柄のくぼみにはまったんだろう。
「あれは………何だ?」
あたしはノエルを見上げると、口を開いたまま何かに驚いていた。
あたしもそちらに視線を移すと、そこには白い翼を広げて、宙に浮いてるシーラの姿がそこにあった。
だが、その華奢な体は所々透明で向こうの空が透けて見える。
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