あたしは体中が粟立った。


目を最大に開き、フィリアを見つめる。






手を握る、なんて相手がいたら簡単なことだ。



それさえもこの子に与えられず、一人で500年近くここに閉じ込められていたのか







フィリアが歌っていたあの唄は双子の願いの唄。




『手を伸ばせば、そっと優しく包んでくれる、それだけでいい』





…誰も傍に居なくて


どれだけ寂しかったか


どれだけ辛かったか


どれだけ、苦しかったか




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