ここで神さまじゃない、って言ったら、きっとフィリアを傷つけてしまうんだろうな。 「……うん。フィリアの願い、聞いてやるよ」 すると、フィリアは満面とは言わないが、嬉しそうに口角を上げた。 このか弱い少女が少しでも喜んでくれていると思うと、強張ってた頬が自然と緩んでいった。 そして、骨に近い細い腕を檻の隙間から出し、あたしの頬に触れると、言った。 「あのね、私の願いはね 誰かに手を握って欲しいの。」 .