「足止めありがとう、マリス」


「どういたしまして〜」

どうやら、マリスというのは、俺を踏みつけてる男の名前らしい。


背中の痛みが消えると、今度は頭に痛みが走った。


ボスが俺の髪を鷲掴みにして、顔をまじまじと見つめる。


頭皮ごともげそうや。


ボスは顎を鷲掴みしていない手で顎をさすると、俯いて考え事をし始めた。



「見張り役を誰にするか決まってなかったけど…


君に決定」



顔を上げたボスは俺にニヤッと背筋が凍るような笑みを向けた。



何を言ってるんや、こいつは…