「シー…ラ…」
フィリアお嬢様はただ呆然とボスの持っているビー玉を見つめていた。
シーラお嬢様を失った悲しみとボスに対する恐怖がその瞳から伝わってくる。
ボスはそんなフィリアお嬢様を涼しい顔で見つめている。
すると、ボスの隣にいた女がフィリアお嬢様の顔の前で、ボスと同様に手のひらをかざした。
「しばらくお眠りください。」
そう呟くと、フィリアお嬢様は女の方に倒れかかった。
まるで催眠術にかかったように目を閉じている。
「あとは君に任せるよ。」
「かしこまりました。」
ボスは女と別れると、俺の方に歩いてきた。


